崩落の絶えない静岡県の大崩海岸（おおくずれかいがん）にある海上にせりだしている道が石部海上橋である。元々道路は断崖沿いを通っていたが、１９７１年7月5日に走行中の乗用車を洞門ごと押しつぶす崖崩れが発生し死者１名の事故が起きた。復旧に向けた調査の結果、安全の確保が困難であると判明したため道路は放棄され廃道となり、代替として１９７２年7月に開通したのが石部海上橋で、橋から廃道区間の残骸を見ることができる。（写真２）
かつて国道１５０号線の一部であったが、相次ぐ崩落を受けて新日本坂トンネルがつくられ、焼津バイパスの開通と同時に県道４１６号線になった。現在も降水量１００mmで通行止めとなる他、２０２２年の１月から２月にかけて海上橋の補修工事が行われるなど、沿道は工事による通行制限が多いので、走行の際には静岡市のＨＰで確認すると良いだろう。また、台風や豪雨の後の走行は控えた方がよいかもしれない。
危険と隣り合わせのような道だが、晴れた日の景色は言葉に言い尽くせないような絶景である。ここは南側の焼津方面から北へ走り、富士山と駿河湾を眺望しながら断崖絶壁の上を走っていくことをお薦めする。石部海上橋は、東側洞門（トンネル）を出てすぐの右側に１０台ほど停められる駐車場がある。走りながら景色を楽しむのもいいし、駐車場に車をおいて橋脚下などにも足を運んで旧道の残骸や景色を楽しむとよいだろう。沿線にはいくつかのレストランやカフェがあり、いずれも素晴らしい眺望を誇っているので、休憩してゆったりと景色を楽しむことができる。
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