広島県道８２号広島空港本郷線は、三原市本郷町の広島空港から山陽自動車道本郷ＩＣを経由し三原市本郷町船木に至る道路で全線約８㎞の道路である。広島県の東部方面から山陽道経由の広島空港へのアクセス道路として利用されている。いくつかある広島空港へのアクセス道路の中では、最も景色が良く、直線道路と緩やかなカーブ、渓谷沿いの道など、距離は短いがドライブ心をくすぐる道である。本郷ICを利用する大型バス等が通行できるように、道幅は広くカーブもゆるやかなので、高速ワインディングが楽しめ、沿線には何カ所か駐車スペースがあるので周辺の撮影も可能だ。用倉トンネルを過ぎると、本郷ＩＣ方面は全線下りで、スピードが出やすいので注意が必要だ。広島空港（３３１ｍ）と終点船木大橋（１５ｍ）との高度差は３１６ｍあるので、上りと下りを往復して楽しむ絶好の道である。

　起点となる広島空港周辺は美しい街路樹の道が続き、特に中央森林公園入口付近の直線区間はとても爽やかな道である。中央森林公園には、様々な施設や美しい庭園がある。美しい日本庭園の三景園は、広島県内の自然の名所を山・里・海の三つにわけ、箱庭のように表現した公園である。宮島を模した水上建築や三段峡を彷彿する三段滝、世羅・賀茂台地を模した梅林やもみじ谷がある。６月には１万株の紫陽花が花開く。サイクリングコースは、国際的な自転車競技が可能な広島空港を取り囲む、一周１２．３kmの健脚コースと、家族で楽しめるファミリーコース（Ａ、Ｂ、Ｃ）が用意され、レンタサイクルも充実している。もちろん持ち込みも可能である。

空港滑走路下の用倉トンネルを抜けると、山岳スカイラインのように遠い山並みを眺望しながら下っていく。断崖の渓谷上の２つの橋（梨羽橋・観音橋）を渡ると直線道路が迎えてくれ、山陽自動車道の本郷トンネルの上を通過する。赤い岩屋橋を渡って左にカーブすると再び直線道路となり、本郷ＩＣを通って終点となる県道３３号線と交差する。